炎症の4徴候



こんにちは!松崎です。


臨床検査技師になって10年ちょっと経ちますが、学生時代に勉強した内容は殆ど覚えていません。

それだけ、現場に入ってからは学ぶ事が多く、内容も大事という事です。

しかし、学生時代に教わった事の中でも重要な情報として現場で活きている事もあります。


それが炎症の4徴候です。

体のどこかに炎症があるときに見られるサインですね。

①発熱、②疼痛、③腫脹、④発赤、(機能障害←5徴候の場合)

炎症があるときは、これらが見られるという事です。


エコー検査をする人にとって、この炎症の4徴候を理解しておく事は必須です。


ある臓器が炎症を起こすと、その臓器は腫脹します。

腫脹の有無はエコーで見ることができます。

その腫脹はどんな意味なのかを判断する上で、徴候を理解していないと判断できません。


例えば、20代男性、右下腹部痛を訴える患者の腹部エコーを担当したとします。

McBurney点に限局した強い圧痛がありました。熱も37.5℃あります。

エコーで虫垂が腫大しています。

診断は...。

急性虫垂炎ですよね。


では、これはどうでしょうか。

60代男性、スクリーニング検査として腹部エコーを実施。

エコーで顕著な虫垂腫大がありました。

プローブで圧迫しても全く痛みはありません。熱もありません。

診断は...。

迷いますよね。


虫垂は腫大しているのに、痛みがない、熱もない。

炎症の4徴候からいうと腫脹だけです。

痛みが無い。熱が無い。という情報から、炎症性の疾患ではないと考えられます。

虫垂粘液種?虫垂癌?


炎症の4徴候。臨床の判断でめちゃくちゃ使います。

どの臓器にも共通する事なので、しっかり意識しましょう。


松崎

技師長の日常

臨床検査技師の価値を 拡大させようと頑張る 技師長の日常

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