使えるツールはどんどん使おう

こんちは。

超音波検査士の松崎です。


今ではエコーマシンに色々な機能が備わっており、使いこなすのも大変になってきました。その機能は使いこなす事ができれば、検査の質はグッと上がります。


Bモードである程度、鑑別できても、エコーマシンには色々な機能が備わっている訳ですから、しっかり使って検査をしていかなくてはいけません。

カラードプラ法は基本中の基本の機能ですが、腹部エコーの際、毎回使うかというとそうでもありません。


何か病変を認めた場合は、カラードプラでの評価を怠ってはいけません。


40代女性、スクリーニング検査のUS写真です。

HBV、HCV、共に感染の既往なし、アルコールも飲まない。

拡大します。

S6域に約15㎜程度の高輝度腫瘤を認めます。

境界明瞭で、多角形、中心部低輝度で、辺縁が高輝度帯があるように描出されます。

ここまでだと、典型的な血管腫像なので、肝血管腫疑いでレポートを返してしまいます。


ではカラードプラを乗っけます。

腫瘤の位置に一致して豊富な血流シグナルを認めます。

血管腫でここまで血流が乗る事はありません。

つまり血管腫以外の疾患が考えられます。


MRIでの精査の結果

FNH(Focal Nodular Hyperplasia)でした。

FNHは肝硬変を伴わない肝臓に発生し、基本的に無症状です。

経口避妊薬を服用している女性に多いのが特徴のようです。

FNHはHCCと鑑別が難しい時は切除の対象となりますが、FNHと確定診断がつけば経過観察をします。

つまり、今回の例では血管腫でもFNHでも方針に違いはありませんが、エコーで確実な情報をレポートできるように備わっている機能はしっかり使っていくようにしましょう。


松崎

技師長の日常

臨床検査技師の価値を 拡大させようと頑張る 技師長の日常

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